矯正治療の内容について

矯正治療は悪い咬み合わせ(不正咬合)の予防や改善を目的に行う治療です。治療の最終的な目的は噛む機能の改善、口唇閉鎖機能の改善、審美性の改善等です。

 使用する装置には取り外してのできるタイプの装置(床矯正装置等)や固定式装置(マルチブラケット装置、リンガルアーチ等)があり、治すべき不正咬合や時期により矯正診断の結果、選択されます。あくまで矯正診断の後に治療装置、予想治療期間、料金等が決まります。大まかな標準的な治療内容、期間、回数、料金等は以下のようになります。

 

可撤式装置による治療(成長期の反対咬合の改善、萌出余地不足の改善等)

18万円~24万円(+消費税) 6回~10回程度

固定式装置(セクショナルアーチ等)による成長期の前歯の配列、反対咬合の改善、顎外固定装置による上顎前突(いわゆる出っ歯)の改善等

20万円~41万円(+消費税) 10回~14回程度

全顎治療(全ての歯を並べる大人の治療。非抜歯の場合と抜歯の場合があります。マルチブラケットという装置で全ての歯を動かします)

65万円~95万円(+消費税) 12回~36回程度

部分矯正(固定式、もしくは可撤式装置で部分的に歯を配列します)

6万円~20万円(+消費税) 8回~12回程度

 

※あくまでも目安で、詳細は矯正診断後に詳しくお話いたします。


※矯正治療は自由診療となります。最終的には歯を長持ちさせて健康な食生活、社会生活を営むお手伝いをすることとその目的としていますが、全くリスクがないわけではありません。
厚生労働省のガイドラインによれば、自由診療に係る主なリスク、副作用等に関する事実について情報を提供することとなっております。
以下に日本矯正歯科学会のガイドラインにのっとり、矯正歯科治療に伴う一般的なリスク、副作用についてご案内いたします。ご参照ください。
個々の患者様についてのリスクの度合い等は、資料採取、矯正診断ののちに、可能な範囲でのご説明をさせていただきます。

① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~12週間で慣れることが多いです。

② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。

③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。

④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。

⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。

⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。

⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。

⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。

⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。

⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。

⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。

⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。

⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。

⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。

⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。

⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。

⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。

⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

 




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