30回かんで食べたい百人一首アニメ


  百人一首を一口30回噛んでもらうためのアニメーションとして作成しました。
楽しみながら百人一首を覚えてもらえれば嬉しいです。
 一


 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ

わが衣手は 露にぬれつつ


天智天皇
 二
  春過ぎて 夏来にけらし  白妙の

衣干すてふ 天の香具山


持統天皇
 三
  あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

ながながし夜を ひとりかも寝む


柿本人麻呂
 四
  田子の浦に うち出でて見れば 白妙の

富士の高嶺に 雪は降りつつ


山部赤人
 五
  奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の

声聞く時ぞ 秋は悲しき


猿丸大夫
 六
  鵲の 渡せる橋に 置く霜の

白きを見れば 夜ぞ更けにける


大伴家持
 七
  天の原 ふりさけ見れば 春日なる

三笠の山に 出でし月かも


阿倍仲麻呂
 八
  わが庵は 都のたつみ しかぞ住む

世をうぢ山と 人はいふなり


喜撰法師
 九
  花の色は 移りにけりな いたづらに

わが身世にふる ながめせしまに


小野小町
 十
  これやこの 行くも帰るも別れては

知るも知らぬも 逢坂の関


蝉丸
 十一
  わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと

人には告げよ 海人の釣船


小野篁
 十二
  天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ

乙女の姿 しばしとどめむ


僧正遍昭
 十三
  筑波嶺の 峰より落つる 男女川

恋ぞ積もりて 淵となりぬる


陽成院
 十四
  陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに

乱れそめにし われならなくに


源融
(河原左大臣)
 十五
  君がため 春の野に出でて 若菜摘む

わが衣手に 雪は降りつつ


光孝天皇
 十六
  立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる

まつとし聞かば 今帰り来む


在原行平
(中納言行平)
 十七
  ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川

からくれなゐに 水くくるとは


在原業平
(在原業平朝臣)
 十八
  住の江の 岸に寄る波 よるさへや

夢の通ひ路 人目よくらむ


藤原敏行
(藤原敏行朝臣)
 十九
  難波潟 短き蘆の ふしの間も

逢はでこの世を 過ぐしてよとや


伊勢
 二十
  わびぬれば 今はたおなじ 難波なる

みをつくしても 逢はむとぞ思ふ


元良親王
 二十一
  今来むと 言ひしばかりに 

長月の 有明の月を 待ち出でつるかな


素性法師
 二十二
  吹くからに 秋の草木の しをるれば

むべ山風を 嵐といふらむ


文屋康秀
 二十三
  月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ

わが身一つの 秋にはあらねど


大江千里
 二十四
 このたびは ぬさも取りあへず 手向山

紅葉の錦 神のまにまに


菅原道真
 二十五
  名にし負はば 逢坂山の さねかづら

人に知られで 来るよしもがな


藤原定方
(三条右大臣)
 二十六
 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば

今ひとたびの みゆき待たなむ


藤原忠平
(貞信公)
 二十七

 みかの原 わきて流るる 泉川

いつ見きとてか 恋しかるらむ



藤原兼輔
(中納言兼輔)
 二十八
 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける

人目も草も かれぬと思へば


源宗于
(源宗于朝臣)
 二十九
 心あてに 折らばや折らむ 初霜の

置きまどはせる 白菊の花


凡河内躬恒
 三十

  有明の つれなく見えし 別れより

暁ばかり 憂きものはなし


壬生忠岑
 三十一
  朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに

吉野の里に 降れる白雪


坂上是則
 三十二
  山川に 風のかけたる しがらみは

流れもあへぬ 紅葉なりけり


春道列樹
 三十三
  ひさかたの 光のどけき 春の日に

静心なく 花の散るらむ


紀友則
 三十四
  誰をかも 知る人にせむ 

高砂の 松も昔の 友ならなくに


藤原興風
 三十五
  人はいさ 心も知らず ふるさとは

花ぞ昔の 香に匂ひける


紀貫之
 三十六
  夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを

雲のいづこに 月宿るらむ


清原深養父
 三十七
  白露に 風の吹きしく 秋の野は

つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける


文屋朝康
 三十八
  忘らるる 身をば思はず 誓ひてし

人の命の 惜しくもあるかな


右近
 三十九
  浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど

あまりてなどか 人の恋しき


源等
(参議等)
 四十
  しのぶれど 色に出でにけり わが恋は

ものや思ふと 人の問ふまで


平兼盛
 四十一
 
 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり

人知れずこそ 思ひそめしか


壬生忠見
 四十二

 
 契りきな かたみに袖を しぼりつつ

末の松山 波越さじとは


清原元輔
 43
 
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば

昔はものを 思はざりけり


藤原敦忠
(権中納言敦忠)
 四十四
  逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに


人をも身をも 恨みざらまし


藤原朝忠
(中納言朝忠)
 四十五
 
あはれとも いふべき人は 思ほえで

身のいたづらに なりぬべきかな


藤原伊尹
(謙徳公)
 四十六
 
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え

ゆくへも知らぬ 恋のみちかな


曽禰好忠
 四十七
  八重むぐら しげれる宿の さびしきに

人こそ見えね 秋は来にけり


恵慶
(恵慶法師)
 四十八
  風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ


くだけてものを 思ふころかな


源重之
 四十九
  御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え

昼は消えつつ ものをこそ思へ


大中臣能宣
(大中臣能宣朝臣)
 五十

 君がため 惜しからざりし 命さへ

長くもがなと 思ひけるかな


藤原義孝
 五十一
  かくとだに えやは伊吹の さしも草

さしも知らじな 燃ゆる思ひを


藤原実方
(藤原実方朝臣)
 五十二

  明けぬれば 暮るるものとは 知りながら

なほうらめしき 朝ぼらけかな


藤原道信
(藤原道信朝臣)
 五十三
  嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は

いかに久しき ものとかは知る


藤原道綱母
(右大将道綱母)
 五十四
  忘れじの ゆく末までは かたければ

今日を限りの 命ともがな


高階貴子
(儀同三司母)
 五十五
  滝の音は 絶えて久しく なりぬれど

名こそ流れて なほ聞こえけれ


藤原公任
(大納言公任)
 五十六
 
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に

いまひとたびの 逢ふこともがな


和泉式部
 五十七
  めぐり逢ひて 見しやそれとも 

わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな


紫式部
 五十八
  有馬山 猪名の笹原 風吹けば

いでそよ人を 忘れやはする


大弐三位
 五十九
  やすらはで 寝なましものを さ夜更けて

傾くまでの 月を見しかな


赤染衛門
 六十
  大江山 いく野の道の 遠ければ

まだふみも見ず 天の橋立


小式部内侍
 六十一
 
いにしへの 奈良の都の 八重桜

けふ九重に にほひぬるかな


伊勢大輔
 六十二
 
夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも

よに逢坂の 関はゆるさじ


清少納言
 六十三

 
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを

人づてならで いふよしもがな


藤原道雅
(左京大夫道雅)
 六十四
  朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに

あらはれわたる 瀬々の網代木


藤原定頼
(権中納言定頼)
 六十五
  恨みわび ほさぬ袖だに あるものを

恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ


相模
 六十六
  もろともに あはれと思へ 山桜

花よりほかに 知る人もなし



行尊
(大僧正行尊)
 六十七
  春の夜の 夢ばかりなる 手枕に

かひなく立たむ 名こそをしけれ


周防内侍
 六十八
  心にも あらで憂き夜に 長らへば

恋しかるべき 夜半の月かな


三条天皇
(三条院)
 六十九
  嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は

竜田の川の 錦なりけり


能因
(能因法師 )
 七十
 寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば

いづこも同じ 秋の夕暮れ


良暹
(良暹法師)
 七十一
  夕されば 門田の稲葉 訪れて

蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く


源経信
(大納言経信)
 七十二

  音に聞く 高師の浜の あだ波は

かけじや袖の ぬれもこそすれ


祐子内親王家紀伊
 七十三
  高砂の 尾の上の桜 咲きにけり

外山の霞 立たずもあらなむ


大江匡房
(権中納言匡房)
 七十四
  憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ

激しかれとは 祈らぬものを


源俊頼
(源俊頼朝臣)
 七十五
  契りおきし させもが露を 命にて

あはれ今年の 秋もいぬめり


藤原基俊
 七十六
  わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの

雲居にまがふ 沖つ白波


藤原忠通
(法性寺入道前関白太政大臣)
 七十七
  瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の

われても末に 逢はむとぞ思ふ


崇徳天皇
(崇徳院)
 七十八
  淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に

幾夜寝覚めぬ 須磨の関守


源兼昌
 七十九
  秋風に たなびく雲の 絶え間より

漏れ出づる月の 影のさやけさ


藤原顕輔
(左京大夫顕輔)
 八十
  長からむ 心も知らず 黒髪の

乱れて今朝は 物をこそ思へ


待賢門院堀河
 八十一
  ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば

ただ有明の 月ぞ残れる


徳大寺実定
(後徳大寺左大臣)
 八十二
  思ひわび さても命は あるものを

憂きに堪へぬは 涙なりけり


藤原敦頼
(道因法師)
 八十三
  世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る

山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる


藤原俊成
(皇太后宮大夫俊成)
 八十四
  長らへば またこのごろや しのばれむ

憂しと見し世ぞ 今は恋しき


藤原清輔
(藤原清輔朝臣)
 八十五
  夜もすがら 物思ふころは 明けやらで

閨のひまさへ つれなかりけり


俊恵
(俊恵法師)
 八十六
  嘆けとて 月やは物を 思はする

かこち顔なる わが涙かな


西行
(西行法師)
 八十七
  村雨の 露もまだ干ぬ 真木の葉に

霧立ちのぼる 秋の夕暮れ


寂蓮
(寂蓮法師)
 八十八
  難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ

身を尽くしてや 恋ひわたるべき


皇嘉門院別当
 八十九
  玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば

忍ぶることの 弱りもぞする


式子内親王
 九十
 見せばやな 雄島の海人の 袖だにも

濡れにぞ濡れし 色は変はらず


殷富門院大輔
 九十一
  きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに

衣かたしき ひとりかも寝む


藤原良経
(後京極摂政前太政大臣)
 九十二
  わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の

人こそ知らね かわく間もなし


二条院讃岐
 九十三
  世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ

海人の小舟の 綱手かなしも


源実朝
(鎌倉右大臣)
 九十四
  み吉野の 山の秋風 さよ更けて

ふるさと寒く 衣打つなり


飛鳥井雅経
(参議雅経)
 九十五
  おほけなく 憂き世の民に おほふかな

わが立つ杣に 墨染の袖


慈円
(前大僧正慈円)
 九十六
  花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

ふりゆくものは わが身なりけり


西園寺公経
(入道前太政大臣)
 九十七
  来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに

焼くや藻塩の 身もこがれつつ


藤原定家
(権中納言定家)
 九十八
  風そよぐ 楢の小川の 夕暮は

御禊ぞ夏の しるしなりける


藤原家隆 (従二位)
(従二位家隆)
 九十九
  人も惜し 人も恨めし あぢきなく

世を思ふゆゑに 物思ふ身は


後鳥羽天皇
(後鳥羽院)
 百
  百敷や 古き軒端の しのぶにも

なほ余りある 昔なりけり


順徳天皇
(順徳院)






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