鼻呼吸ー咬みあわせを育て守る第一歩



普段食事の時以外にずっと口を開いていることが、咬み合わせや歯の健康、ひいては全身の健康に悪い影響を与えます。
成長期に人の体も口も成長しているわけですが、口の形、咬み合わせは唇を閉じた状態で良い状態に成長するようにできています。
口を閉じていること、すなわち鼻で息ができている状態で口が閉じていると、唇から前歯を支える力がかかり、唇を閉じているだけでも
前歯が前に飛び出て成長することを防いでくれます。そして鼻呼吸で正常に鼻が機能していることで、上の顎の良い形の成長が促されます。
鼻の裏側が上顎だからです。そして姿勢を良くして舌が上顎に吸いついていることで、さらに上顎の
良い形の成長が舌により促されます。
また、舌は下顎についていますので、上顎と下顎を一つの塊として成長させてくれることになるので、上の顎と下の顎の前後や横へ成長の
ずれが起こることを防げます。
 逆に口呼吸になると、鼻の成長は機能的にも形態的にも悪くなり、前歯の位置は乱れ、上顎のズレが起きやすくなり、不正咬合の大きな
原因になります。また、歯肉が乾燥するので歯肉炎や歯周炎が起きたり悪化したりします。また、口呼吸になることで細菌やウイルスが体に
入りやすくなり、全身の健康状態も阻害されます。
 矯正治療の目的の一つに口を閉じやすくする、ということがある一つの理由でもあります。
コロナウイルスが世界中で流行している現在、口呼吸の有無がコロナウイルスの感染のし易さに影響している、という研究も今後出てくる
ことと思います。そんな研究結果を待つ前に、口や体の健康全てを含めて口呼吸を心がけることが大切です。特に成長期は良い咬み合わせの
成長のために大切であることを覚えておいてください。




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