Aさんの育児休業給付金の不支給決定が取り消されて、本当にほっとしたしばらく後、
社会保険事務所から案内が届きました。雇用保険の説明会をするから、参加してください
というものでした。
 今回の件は、もとはと言えば私の雇用保険に関する無知が背景にありました。
だから大いに反省していましたので「これは是非聞きにいかなければ!」と考えました。今回の
育児休業の話も詳しく説明されるに違いないと考えたからです。
 かなり広い会場に参加すると、元ハローワーク所長だったという方が説明を始めました。説明が
始まり、育児休業給付の段になると、「これは皆様労働保険組合や社会労務士さんにお願いして
いるでしょうから割愛しまして・・・」と続いて、え?何それ?と思い引き続き聞いていると、どうも
説明の内容がおかしい。失業給付金や育児休業給付金の話はほとんど出ないで、退職者を雇用
すると補助金が出るとか障害者を雇用すると補助金がでるとか、かなり特殊な補助金の話ばかり
でした。いろいろなパンフレットをもらったけれど、私たちの医院で役に立ちそうなものはありません
でした。それでも後学のためにと説明を読んでみると、縛りが多くてとても面倒くさく、支給を申請する
企業とはいったいどんなものなのだろう?といぶかるものがほとんどでした。会場もなんだかどろんと
した雰囲気につつまれていて、最後のしめの言葉は、なんだか不思議なものでした。
「え〜、みなさんこういった補助金がとても使いにくい、という声をよくきくのですが、しかしあるの
だから使われるのがよい、と考えていただきたいと思います」
といったことでした。本当に役に立つための補助金を作っているのか?社会に役にたっている努力をしている
ポーズを作っているだけではないのか?補助金を出す機構で働いている人たちだけの益にしかなっていないの
ではないか?なんだか理不尽の感情がズンズンと押し寄せてきました。
もらったパンフレットはいずれもフルカラーでかなりお金がかかっています。私は自分の医院のパンフレットも
作ったことがあるので、カラーパンフレットの値段の高さは知っています。パンフレットの主は雇用・能力開発機構。
かってわたしの仕事館(だったかな?)で巨額の無駄を指摘された厚生労働省のいわゆる天下り先といわれて
いるところです。きれいな、そして私にとって到底役にたたないパンフレットを見て思います。これが雇用保険料
の行き先か。働くお母さんと生まれたばかりの育児休業給付金を出し渋って行きつく先の一部がこれか、と。
無理な発想でしょうか?普段ニュースでいわれるお役所の無駄のにおいがここにしっかりこびりついている
気がしてなりません。



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